【感想】Angel Beats!を今更見た【アニメ】

Angel Beats!を今更見た。

折角見たので一番印象に残ったことを文章で落としておく。

 

俺が一番印象に残ったこと、それは

青春時代は美化されがちだが、事実は小説より奇である

ということ。

 

 

Angel Beats!むせかえるような2000年代アニメのかおりが充満したアニメで、

彼らの設定上、学生生活を色濃く描く必要があり、

当時特有のオーバーな表現が沢山使われていて、

こんな日常ないっすw」って思うような、そんな毎日が作品の中では続いていく。

 

 

だーまえが当時既におっさんだったから? とか

当時の段階でアニメ見てた人って今よりも高齢だったよな とか

アニメの設定上、濃すぎる日常やんないと逆に不自然なわけ? とか

色々考えたくなるくらい、今のアニメじゃ濃すぎる表現だらけ。

 

 

多分若者受けはしないんだろうなーと、28になった俺は感じた。

ほら、今のアニメ割とたんぱくじゃん。

オーバーな表現は抑えて、その分、現実感ある方が好まれるイメージ。

俺もそっちの方が好きだし。醒めないので。

だから濃すぎるなーと。

 

 

だけど、そのくどさがAB!に関しては刺さっている。その濃さがよかった。

今の淡白なアニメたちにはないそのぶっとんだ日常が、

俺が過ごした思い出の中の中高時代と変わらないテンションのように思えてよかった。

 

 

AB!のコンセプト的に、「じゃあ俺の中高時代ってどんなんだっけ」って

思い返しながら見てたからかなー。

普通はくどくて見れなくなってるとこを、AB!は見れてしまった。

 

 

まぁ俺の中高生活って別に殺されても死なないなんてことはなかったし、

銃を乱射もしてなければ、ゲリラライブなんてしてなかったけども

当時は俺自身の可能性を決めつけてなかったし、色々無敵だった気もしていて、

そういう意味で思い返しながらも謎に重ねてしもた部分もあったので、見れた。

 

 

これはね、今まさに中高生をやっていたりすると多分俺は見れてない。

こんな日常ねーしwみたいな。

あるいはあったとして、これを「尊い」と思えてないと思うw

 

 

でもこの歳になって、俺の中での青春時代が化け物のように美化され、

非常に尊く感じているので、描かれているくどすぎる青春が

「これぐらいでちょうどいいかもね」と思えてしまって、

 

スッと日常シーンが入ってくるわ、更には終盤の流れが読めてくるにつれて

あ、良いアニメだわこれ」となるわ、大変でした。

 

 

あの時代はあの時代にしかなかった特有の何かがあって、

完全にバグった日常だったわけで。

28年経った尺度から見ると、青春ってイレギュラーだったと思う。

 

あのさあ

10話でひなたがユイにさ

 

俺、野球やってるからさぁ。

ある日、お前んちの窓をパリーンって打った球で割っちまうんだ。

それを取りに行くとさ、お前がいるんだ。それが出会い。

話するとさ、気があってさ、いつしか毎日通うようになる。

介護も始める。そういうのはどうだ?

 

て言うわけじゃん?

俺から言わせてもらえば、それが言えちゃうこと自体が青春なわけよ。

バグ以外の何物でもないわけ。28歳にもなってしまった俺視点で言うと。

でも青春時代なら、「まぁありうるなぁ」と。

 

 

青春時代は美化されがちだが、事実は小説より奇なわけ

 

 

そしてそんなセリフを聴いて、

もう戻ってこない、あるいは時間が不可逆であることを良いことに

本当は言えるかもしれないのに言わないスタンスを切ってる今の自分との

果てしないギャップを覚えて、俺の心の感動に繋がるわけよ。

 

 

そんなことを

前世で満足に楽しめなかった若者たちが集う死んだ世界戦線の面々のくどい日常を見て

感じたという話です。